そんな私に衝撃的な出来事がありました。
それはお施主様からのある一言でした。
普段は親方である父が立ち会う納骨式に私が変わりに言った時の事です。
新しく完成したお墓に御遺骨を納め帰ろうとした私にお施主様であるご夫人から
「 石屋さん、立派なお墓を建てていただいてほんとうにありがとう。これでやっと主人も安心して眠ることが出来ます。何より私が1番ホッとしました。」
と感謝のお言葉をかけていただいたのです。
私はその時、「石屋の仕事は地味できつい仕事だけど世の中の役に立つ誇りのもてる仕事なんだ。」と雷に撃たれたような気がしました。
また、今まで中途半端に取り組んでいた自分が恥ずかしくてたまらず、まともにお施主様の顔を見ることが出来ませんでした。
それから私は石屋の仕事に腹を据えて取り組みました。
石材の加工技術だけでなくお施主様から質問されたことには何でも答えられるようにと死に物狂いで
勉強したのです。
また、お墓を造るということはお施主様にとって一生に一度あるかないかの大仕事だということを肝に銘じて仕事してきました。
今では「 あの石屋さんお願いすれば安心だから」
とお寺のご住職様やお施主様から多くご紹介をいただき
創業以来八十年、1000基を超えるお墓の仕事をさせて頂けるようになりました。